ここ数年、機械式腕時計への注目は高まり興味を持たれている方も多いのではないだろうか。
機械式腕時計と一言で言っても数多くのメーカーから毎年様々なモデルが発表されることもあり、なかなか最初の一歩を踏み出せずにいる人も多いのではないかと思います。
そんな最初の一本への一歩を踏み出す一助になればとこの記事を書きました。
腕時計の現状
コロナ過から現在までの世界情勢や、世界経済など様々な要因はあるものの全体として価格は高騰を続けています。各メーカーここ数年は価格改定を繰り返し、気づいたら定価が上がっているという状態です。二次流通市場ももちろん底上げされている状態で、一部の人気モデルの超高騰は継続しているのはもちろんのこと新品でも定価を大きく割るものがかなり減ったように感じます。
これもよく言われていることですが”機械式腕時計は今が買い!”もあながち嘘ではないのかもしれません。
私の初めての機械式腕時計 ”IWC PORTOFINO -ポートフィノ-”
初めて私が購入した機械式時計がIWCの代表モデルであるポートフィノ。2004年の年末に父のお祝いのプレゼントとして、この時計を購入しました。そんなプレゼントした時計ですが数年後のある日、『お前のほうがたくさん使いそうだから持っていけ』と父から言われ私の手元に戻ってきたのです。その当時はせっかくプレゼントしたのになぜ?といぶかし気に思っていましたが今考えると、私が時計に興味を持ちそうだということをなんとなく父は感じていたのだと思います。そんな少し変わった経緯で手に入れた腕時計ですが”18年以上経ちいくつかほかの機械式腕時計を手に入れた今でも一番のお気に入りの一本”として大切に使っています。
後悔しないための腕時計の選び方
さて、では最初の機械式腕時計どういう選び方をすればよいのでしょうか。
機械式腕時計への一番大きなハードルの一つとしてやはり価格というのが大きいと思います。これに関しては個々人でかけられる金額が変わってきますし、購入後の価値観に大きく直結する要素なので慎重に検討してほしいところです。というのも私の場合、最初のポートフィノを購入した際もその後の時計を購入した際も”はじめは価格は考えていませんでした”。
では、そもそも何がはじめにあったのか?というところですが私の場合、手に入れた時計に関してすべてに共通して”これが欲しい!”という直感的な思いみたいなものがありました。
ありていに言えばすべて”一目ぼれ”というやつです。当然、最初のポートフィノは自分のものとして購入したわけではないので自分が欲しいというよりも父に似合いそう、喜んでもらえそうという理由です。自分が心から素敵だと思えたのでプレゼントしたい!という気持ちにもなったので、解釈としてはこれも欲しい!と思ったのだと思います。
一番何を伝えたいかというと、機械式時計を購入する際は”運命の出会いをしてほしい”ということです。
運命の出会いをするためには?
では運命の腕時計に出会うためにはどうすれよいのでしょう。
これはいたってシンプルで実機をお店に見に行くです。実際にお店に行き、興味のある時計をたくさん見ることです。そしてお店で見ていく中でこれはと思うものがあれば、店員さんにお願いして”実際に手に取ってみる、腕に乗せてみる”ことがとても大切です。最初は店員さんにお願いするのは緊張するかもしれませんし、買わないのにどうしよう?みたいな思いもあるかもしれません。でもそれらのことは気にする必要は全然ありません。機械式腕時計は高価なものが多いですのでお店側も初見で買ってもらうよりは、その時計のことをよく知ってもらいたいという思いがあります。私もたくさんの時計を見せていただきますが、大体どのお店も快く対応していただけます。
ではなぜ、実際に手に取ってみることが大事なのかというと”ショーケースの中のものを見るよりも印象が全く変わる”からです。これは良い方向にも残念な方向にも印象が変わることがあります。それにはいろいろな理由があるのですが思っていたよりサイズ感が違っていたとか、表記サイズの割には腕に収まりが良かったや、ケースの素材や色が思ったより肌なじみが良かったなど様々です。
機械式腕時計は数センチの中に宇宙が詰まっているといっていいほど、手間をかけて製品として完成しています。そんな重みやディールの美しさなど遠目に見ているときには気づかなかったものがたくさんあるのです。
そして”一番大切なのが、最初は明確に好みや求めているものがなかったとしても実機を眺めたり、腕に乗せているうちに自分の好みや、自分に似合うと思える時計がなんとなくわかってくるということ”です。それをくりかえしていると突然、雷に打たれるような衝撃を受ける一本に出会うことがあるのです。
私も実は以前、大きな雷に打たれた経験があります。今ほど時計を見ていなく、そこまで時計のことを知らなかったころ、流行り始めていたラグジュアリースポーツウォッチの購入を検討する(ステンレスのラグスポモデルが普通に購入できた時代がありました・・・)ために時計屋さんで実機を見せてもらっていたところ、少し予算感はオーバーしますがこれも素敵ですよ?と店員さんに提案してもらった時計に心を打ちぬかれたのでした。そのころはラグスポウォッチも今より価格が驚くほどやさしく、提案してもらった時計は予算がかなりオーバーしたモデルでした。ただ、その時計に心を奪われた私はそこから半年以上かけ悩みながら予算を作り購入までこぎつけた時計があるのです。この時計についてはまた別の記事として紹介できればと思います。
最後に
これから機械式の腕時計の購入を検討している方に言いたいのは、必ずしも”機械式腕時計は今が買い!ではない!”ということです。
資産性やトレンドなども大事かもしれませんが、それらに流されたり左右されるのではなく、まずはご自身が心の底からこれだ!と雷に打たれる経験をしてもらいたい、そしてその経験を経て価格や世間の人気などだけではなく、自分にとってその時計とこれから長い時を共に歩むための計画の第一歩を踏み出してほしいと思います
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