普段はほとんど衝動買いをしないタイプなのですが、先日ブルネロ・クチネリのローファーを衝動買いしてしまい、せっかくなのでご紹介をしようと記事を書きました。
普段革靴はいわゆるシューメーカーと呼ばれるものを購入することがほとんどで、ファッション全般を扱うブランドの革靴は今回が二回目の購入となりました。
ファンションブランドの革靴とシューメーカーの革靴との違いや、お店の様子の違いなど比較しつつ今回のローファーのすばらしさをお伝えできればと思います。
今回購入したローファー。公式オンラインで取り扱い中です。※2023年8月24日現在
Brunello Cucinelliについて
Brunello Cucinelli(ブルネロ・クチネリ)とはイタリアの高級ファッションブランドで、1978年にペルージャ近郊の小さな村、ソロメオ村に誕生したブランドです。特にカシミヤを使ったものがブランドの代表的なアイテムで、一貫した品質管理と生産体制から生み出される生地は至高の触り心地の一品です。
イタリアといえば生地生産メーカーから生まれたブランドが多く、 Loro Piana(ロロ・ピアーナ)やZegna(ゼニア ※生地のほうは今でもErmenegildo Zegna)など日本でもスーツをはじめ多くのファンがいます。そんな生地の強いイタリアブランドの中でも異色な存在のBrunello Cucinelli(ブルネロ・クチネリ)の特徴をご紹介します。
Brunello Cucinelli(ブルネロ・クチネリ)の特徴といえばやはり、質の高いカシミアをはじめとしたニット素材です。そして一番の特徴といっても過言ではないのがそんな最上級のニット生地のお色味ではないでしょうか。ほかのイタリアブランドの生地は、滑らかな素材の特徴を最大限発揮した艶やかなものが多く、とても華やかです。一方、”ブルネロの生地は高品質な雰囲気や艶感はあるもののとても優しい落ち着いた色遣いが特徴”です。
何とも言えないペールトーンや品のあるグレージュなど、言葉だけだと地味に感じるかもしれませんが素材の良さと相まってラグジュアリーだけど決して派手派手しくなく、シックな印象を与えます。
そして、こちらは商品の見た目ではありませんが、企業としての取り組みがとても素晴らしいところが特徴です。『人間主義的経営』を謳い、働く職人一人一人の幸せや、拠点であるソロメオ村の自然豊かな環境の保全など売り上げ至上主義になりがちなファッションの世界で一線を画すものづくりを続けています。公式サイトの『会社の成り立ち』というページに書かれいることがすべてを物語っているのではないでしょうか?
出会い
今回、私が購入したのが2023FWで展開されているグレージュのペニーローファーです。履き口周りのパイピングがとても素敵なスウェードのローファーです。
出会いは本当に偶然で、百貨店へお買い物の付き添いに行った際、ほんの10分ほど待ち時間に入ったのがたまたま真横にあったブルネロの店舗でした。もともとブランド自体は知っていましたし、何度かお店にも行ったことはありましたがご存じの通り、お値段がなかなかお高いブランドなので買い物はしたことはありませんでした。
そんなブルネロですが、靴は洋服に比べ少しは挑戦しやすい価格であることも知っていましたし以前インスタグラムで素敵なブーツとスニーカーを見ていたので実際、試してみようかな?くらいの気持ちで入りました。
入店後、ぱっと見渡した時にすぐに目に入ってきたのが今回購入したローファーでした。なんといっても一目見た時に、”これはシューメーカーにはなかなかない色味だなぁ!”と思ったのが最初の印象でした。
試着してみて
手に取ってすぐにこれはヤバイと感じながらも心の中では、履いてみたい!と心を奪われていました。そうしていると店員さんからぜひ足を入れてみてくださいと言われ、遠慮なく試着。
革靴を試着する際は必ずスラックスタイプのパンツをはいていくのですが、なんといっても今回は衝動買い…。ジョガータイプのパンツをはいていたのですがそれでもなんて素敵なんだと、自分の中で喜んでいました。靴によくあることなのですが、私は履いた時と手に持っているときで印象が変わることが良くあります。特にちょっと違うな~と思うことがあるのですが、このローファーは逆で履くとさらにいい!となりました。
何とも言えない色味、スウェードの優しい質感、そしてファッションブランド、それもイタリアブランドのなせるシルエットの美しさ。手持ちの革靴はほぼイギリス靴だったので、味わいの違うシルエットも特に気に入りました。ただ、そこは”ブルネロの上品さなのでしょうかイタリア感全開といったやりすぎはなく、とてもエレガントでさりげない美しさが幅の広いコーディネートに合う”と感じました。
履き心地
試着してみてさらに見た目にほれ込んだと同時にとても驚いたのが、その履き心地です。
スウェードなのでソコソコ柔らかく、”履きやすいだろうなくらいに思っていたのですが、足入れをしてみて衝撃を受けました。めちゃくちゃ気持ちいいのです”。
アンラインドではなくちゃんとライニングが貼られているのですが、とても柔らかいカーフで革靴特有の硬さはほぼ感じられませんでした。もちろん履き心地を左右する、木型が足に合ってるかどうかは個人個人違いますので良い悪いは簡単には言えません。その部分に関しては私の足に合っているということだと思います。※私の足は割と典型的な日本人の『甲高幅広』です。
そして、一番履き心地の良さを実現しているのがガムソールでした。当然といえば当然で革のソールより履き心地がいいのはあたり前かもしれないですが、見た目もここまでエレガントなのにガムソールで歩きやすい靴というのはやはり感動しました。この感動は普段、イギリス靴の質実剛健で堅牢な靴を履いているからかもしれません。
当然、ソールのお直しもしっかりブルネロでは対応してくれているようです。シューメーカーのように一つのモデルを何年間も長い期間展開するわけではないので、購入したものとは底材(ソール)が変わる可能性はあるがなるべく同じ印象になる修理を受けてくれるそうです。もちろん、現行のパーツが工房にあれば全く同じもので修理を受けてくれるそうです。
付属品について
付属品についてのご紹介もしておきます。
付属品は、靴袋(左右別)、スウェード用ブラシ(袋付き)の二点が同梱されています。さすがにシューツリーはついていないようで、別途形が合うものを探して購入しようかと思っています。
付属品のブラシもかなりしっかりしたもので、白木のベースにちゃんとスウェード用のスチールの毛が混在したものになります。
白木の質感も高級感があり、ブランドの刻印もしっかり押されていてとてもうれしいおまけでした。
スウェードブラシはたくさんあるので、これは大切に保管しながら初のブルネロを大切にしていきたいです。
最後に
今回は衝動買いをしたブルネロのローファーをご紹介しました。
革靴はなんとなく、イギリスのシューメーカーのものが好みで自分にもあっていると勝手に思い込んでいましたが、今回シューメーカーでもなく、ファッションブランドでかつイタリアのものを購入してみて思ったのが、”○○じゃないとダメ!なんてことはない”。ということでした。
自分の直感でこれが好き!というものにこれからも少しづつ出会っていきたいなと思えたお買い物でした。
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